お皿の余白が料理をおいしく美しく魅せる -rule.1-

一皿フードスタイリング

ハッとするような美しい料理画像を撮ってSNSにアップしたい。飲食店のメニュー撮影で盛り付けがイマイチなので改善したい。そんな希望を叶えるのが「盛り付けの構図4つのセオリー」です。

この記事では、高級フレンチの一皿を検証して導いた「盛り付けの構図4つのセオリー」の中から、1つ目のセオリー「余白と料理の面積比」を詳しくご紹介いたします。

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お皿の半径に対する30%と50%の線

美しい一皿には、俯瞰(真上からみること)で見た時の構図に、いくつかの共通ルールを見つけることができます。


最も最も重要なルールが、余白です。その余白を作るために、料理とお皿の境界線となる2つの線が存在します。

rule.1 主菜は皿半径30%内、ソースや副菜は皿半径50%内に盛り付ける。

お皿の半径の内側30%と50%のライン
©︎ 10tasu

真ん中にお皿の半径の30%に収まるように、メインの料理を盛り付けます。また、ソースや副菜、あしらいは、お皿の半径の50%に収まるようにします。


実際の画像を見てみましょう。
下の料理は、フレンチシェフが盛り付けたお魚料理の一皿です。

©︎ 10tasu

この画像に、30%と50%のラインを引いて検証したのが、次の画像です。

©︎ 10tasu

メインのお魚を盛り付ける土台は中央30%に収さめ、お魚自体は50%に収まり、風味と食感、彩りを演出する食材も50%に収まるようにして、完成させています。

料理の山の裾野に広がる、37.5%の支持線

30%と50%のラインの間に、37.5%の支持線も見つけることができます。

例えば、左右非対称に料理を盛り付ける場合や、中心からグラデーションの絵を描くようなイメージで盛り付けたい場合に、特に意識します。

副線として、皿半径37.5%の支持線も意識する。

©︎ 10tasu
©︎ 10tasu

上の画像は、フレンチのコース料理に登場するデザートの画像です。お皿にちょこんと盛られたクレープにベリーのソース。大変シンプルな盛り付けですが、バランスよく美しく見えるのは、なぜでしょうか。

ここに30%、50%、そして支持線の37.5%を入れてみると…

©︎ 10tasu

クレープは中心から少しずらしつつも50%の線の中にあり、37.5%の支持線と50%の線をなぞるように、ソースの流れを作っています。

このように、アンシンメトリーに盛り付けていても、rule1と支持線を意識していれば、美しい絵のようにお皿を完成させることができます。

余白と料理の面積比

基本的な3本の線の内側は、絵を描くキャンバスのようなもの。
料理は、基本的にそのキャンバスの中に盛り付けます。お皿の余白は、その絵を美しくひき立てる額です。

料理は絵。お皿の余白は額。

©︎ 10tasu

絵(料理)と額(お皿の余白)を面積比にしてみると、

絵:額=1:10(30%のライン/メイン食材との比率)
絵:額=1:3(50%のライン/副菜やあしらいを入れた比率)

これが、美しい盛り付けの余白と料理の面積比です。

まとめ

美しく料理を盛り付ける最も重要なセオリーは、余白と料理の面積比。
その比率を導き出すのが、お皿の半径に対する3本線です。

最初は、この3本線を意識しながら、盛り付けの練習をしてみましょう。
お皿に対する料理の面積比が、感覚として身に付いてくると、自然にフォーマルな盛り付けができるようになります。

あくまで重要なのは、余白と料理の面積比ですから、料理を中央に盛りつけない場合でも、面積比が保たれていれば、フォーマルな仕上がりになります。

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