音に敏感な人のヴァータケアなインテリア

布に包まれた猫 心と体が喜ぶインテリア

聴覚が敏感で、生活のちょっとした音も気になる。そんなあなたがお家をリフォームしたり、お部屋の模様替えをする時に役立つ、「音」をキーワードにしたヴァータケア・インテリアをご紹介します。

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ヴァータケアのインテリアって?

アーユルヴェーダという言葉をご存知でしょうか? インド・スリランカ発祥の東洋医学で、ヨガとは姉妹のようなものとも言われているので、ヨガをしている人は聞いたことがあるかもしれませんね。

このアーユルヴェーダには、「ヴァータ」「ピッタ」「カファ」という3つの性質(状態)のバランスを観察し整え、健やかさを保ちましょうという考え方があります。


ヴァータ聴覚と触覚に敏感。情報キャッチ力に優れている。周りの環境に流されやすく疲れやすい。
ピッタ 視覚に敏感。分析力やロジカルな思考に優れている。完璧を目指すため計画外にイライラしやすい。
カファ 嗅覚と味覚に敏感。持続力に優れ、芯があり落ち着いている。怠惰になりやすくクヨクヨしやすい。

3つの中でも特に、ヴァータの性質が増大すると、聴覚が過敏になるため、ちょっとした音が気になり眠りが浅くなったり、疲れが取れず不安感が増すなどの不調を感じることがあります。
また、生まれ持ってヴァータタイプの人は、空間の持つエネルギーに同調しやすく、たとえば気の良い場所・何となく居心地の悪い部屋・気配などをキャッチする能力が高いので、インテリアはとても重要です。

ヴァータケアのインテリアとは「ヴァータを優しく整えるインテリア」。つまり、聴覚に優しく、眠りを誘い、安心してリラックスできる空間なのです。

音を吸収するインテリアアイテム

生活音を和らげる、最もシンプルで取り入れやすいのが、布を使うこと。
たとえば、ブラインドやロールスクリーンよりも、カーテンの方が音を吸収します。カーテンの生地は、滑らかで薄手の生地より、厚手の織物の方がより効果的です。同じように、床もフローリングよりカーペットやラグを敷いた方が、ヴァータケアに配慮したインテリアと言えます。

カーテンやラグなど、吸収しやすい布を多用する

以前勤めていた会社で、20人ほどが居る部屋の、角の端の席で仕事をしていた時、遠くの席の同僚の話し声が聞こえてくることに気づきました。壁に反響した声が隅角の私の席に集まってきていたのです。電話で取引先と話している同僚の声、仕事終わりにご飯を食べに行こうと約束している同僚の声、そんな声が、私の仕事中のBGMだった、なんて時期がありました。

部屋の四隅は、反響した音が集まる。

私が体験したのは職場でしたが、家でも同じケースがあるでしょう。部屋の中の小さな音も、壁や床を伝って響き、気になる音となって自分に届いてしまう。こんな現象を少しでも緩和するために、布を活用して吸音することをおすすめします。

カーテンの選び方

実際に、「吸音カーテン」という名称で販売されている商品もあります。これは主にオーディオルームや音楽室などに使われているベロア素材のカーテンです。外国のお城の窓にも、高級感たっぷりなベロアのカーテンが使われていますね。ベロア素材は独特の重厚感があり、また少し高価な印象があります。

「吸音できるカーテンを取り入れたいけれど、自分の部屋のインテリアには似合わない…」

という方は、ご自身の好きな布地でも良いので、カーテンの“ひだ”が多い、または“ひだ”が大きいものを選びましょう。布地の面積が広い方が良いのです。

カーテンは、“ひだが多い(または大きい)ものを選ぶ

カーテンの長さも、床につくくらい長めにすると、音漏れが防げるため、より効果的です。
私は以前、大通り添いの賃貸マンションに住んでいました。大通りは車の通行量が多く、夜も貨物トラックが通るというケースが多いですよね。私の部屋は、寝室とリビングに窓があり、どちらも大通りに面していました。
そこで私は、布地屋さんで好きな色のベロア生地を多めに買って簡単に縫い合わせ、“ひだ”の大きい、床に余るほどの長さのカーテンにして使っていました。パリのアパルトマンの写真などを見るとそういったカーテンがかかっていて、私にとって憧れのカーテンスタイルだったので一石二鳥! おかげで、大通りからの音は少し緩和されました。

壁紙の選び方

壁紙も、ビニール壁紙より、織物壁紙の方がより吸音に優れています。また、ツルツルした質感より、凸凹感がある質感の方が音の反響を軽減します。また、空気を多く含むことで吸音できる壁紙パネルなどもあります。

壁紙は、織物壁紙を選ぶか、吸音パネルを取り入れる


今からお家を建てる方や、リフォームを検討している方であれば、織物壁紙を検討してみましょう。織物壁紙はビニール壁紙よりも高価なので、すべての部屋に使うというより、特に音が気になる寝室や書斎などを優先すると良いでしょう。
賃貸に住んでいたりリフォームの予定がない方であれば、吸音パネルがおすすめです。DIYできるタイプのパネルがネットで販売されていますので、好きな色のパネルを選んで取り入れてみてくださいね。

床材の選び方

床材も、フローリングよりカーペットや畳の方が吸音できます。空気をたくさん含む素材・質感であること、これがポイントです。

床材は、空気を多く含むカーペットや畳を選ぶ

同じカーペットでも、より毛が詰まったもの、さらに毛足の長いものの方が効果的です。また、壁紙のところでお伝えした防音パネルは、床材として使えるものもありますよ。

クッションやラグを多用する

「壁紙や床材を変えるほど大掛かりにはできない…」

大丈夫です! もっと簡単な方法もありますよ。
布を多用するというのがキーワードなので、たとえばツルッとした素材(革やビニール)のソファを使っているならキルトやニットのマルチカバーをかけたり、クッションをたくさん並べるのも良い対策です。床にお気に入りのラグを敷くのもOK!

布使いのエトセトラ

もっと布使いのインテリアアイデアを膨らませてみましょう。

  • “のれん”やタペストリーで一部屋を緩やかに間仕切る
  • 天井に布を垂らす(音は上に上がる性質があります。天井での反響を布でキャッチできます)
  • ランプシェードを布に変える(和紙も空気をたくさん含んでいるのでGOOD!)
  • ダイニングテーブルにテーブルクロスをかける

布は最もインテリアに取り入れやすい素材です。その布が、音を吸収してくれる性質を持ったヴァータケアの強い味方。気軽な気持ちで好きな布でインテリアを楽しんでいるうちに、あなた好みの安心できる空間に仕上がりますよ。

布とヴァータケアの関係

今回は「音」をキーワードにしたヴァータケアのインテリアアイテムとして、特に布に注目して紹介しましたが、布には、音のコントロール以外にもヴァータケアになるポイントがあります。

ヴァータは触覚にも敏感です。疲れやすいヴァータにとって、肌触りが良い布で包まれる感覚は、休息の空間になくてはならないモノなのです。
さらに「肌触りの良い」という表現は、人によってその基準が違いますし、温度湿度など空間の環境や、心身の状態によっても変わるでしょう。いくら吸音できるからと言って、暑い夏にモコモコニットのクッションを敷き詰めたソファでは、「肌触りが良い」とは言えず、熱がこもってストレスになりますよね。「肌触り」がどうであるか。それは人によって変わり、状況によって変わる、固有の感覚なのです。

つまり、ヴァータケアには、固有のバランスが重要です。
音が気になってくつろぐことができず、疲れを癒すことができない時には、吸音効果を優先したインテリア素材を選ぶけれども、肌に触れることの多いインテリアファブリックには肌触りを優先する、といった、それぞれの塩梅・調整をしましょう。

あなたのお部屋が、よりあなたの心身に寄り添う素敵な空間になりますように。

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