料理画像をおしゃれに撮影してSNSにアップしたいんだけど、上手くいかない。
味は美味しいけれど、盛り付けのセンスがない。
そんなあなたに、ぜひ知っておいて欲しいのが、盛り付けのセオリーです。
この記事では、構図に関する4つのルールをまとめています。
高級フレンチの美しい一皿を検証して導いた構図のセオリー
私は仕事柄、料理を使った撮影スタイリングをすることがあり、日頃から盛り付けについて観察したり、料理人との打ち合わせでは、全体の構図を考えたりしています。
その中で、料理人と一緒に、料理本や高級フレンチのコース料理の画像を検証したところ、美しい一皿には、俯瞰(真上からみること)で見た時の構図に、いくつかの共通ルールを見つけることができました。
1つの重要なルールと、3つのオプションルール、全部で4つのルールです。このルールを使えば、ふだんの料理がグンとフォーマルで高級感にあふれた、SNS映えする美しい一皿になります。
rule.1 余白と料理の面積比
まずは、最も重要なルールです。検証したフレンチコース料理のほとんどが、これに当てはまりました。
rule.1 主菜は皿半径30%内、ソースや副菜は皿半径50%内に盛り付ける。
お皿の外側に十分な余白を作ると、料理の盛り付けが一つの絵のように魅せることができるのです。
余白と料理の面積比はおよそ、50%のラインで3:1、30%のラインで10:1となります。
また、料理を中央に盛りつけない場合でも、余白と料理の面積比が保たれていれば、このルールと同様に美しく仕上げることができます。つまり、お皿の余白が、美しい盛り付けの重要なポイントとなるわけです。
ちなみに、料理の面積がお皿の面積の50%を超えると、見た目のカジュアルさが増します。気取らない雰囲気の料理写真に仕上げたい時は、このルールの反対で盛りつけましょう。
rule1をもっと詳しく説明している記事はこちら
rule.2 放射状グリッド
今度は、3つオプションルールをご紹介します。オプションルールでは、rule.1の余白を確保した上で、食材をどんな風に配置すると、美しい盛り付けになるかを探ります。
rule.2 皿の中心を起点とした15°の放射状グリッドに合わせて食材を盛り付ける。
たとえば、メイン料理にサラダなどの副菜や付け合わせを添える時、アイスクリームとフルーツを盛り合わせる時なども、15°のグリッドをイメージすると、バランス良く盛り付けることができます。
実際、皿にグリッドがあるわけではありませんが、放射状にラインが入った皿やレリーフ皿などで練習するのは盛り付けが上手になる方法です。
rule.3 黄金比の出現
rule3は、かなり高度なルールです。美しい一皿を描き出す一流のシェフの料理画像を検証すると、ソースの描き方や料理の配置に、なぞったかのような黄金比が出現していました。
rule.3 多種の食材を使う場合は、黄金比の構図を意識して盛り付ける。
黄金比とは、ピラミッドや凱旋門などの建築物や有名な絵画の構図、自然界(植物の葉脈や巻貝の断面図など)にも多く出現する比率で、安定感のある美しい構図の原点です。
身近なところではキャッシュカードやパスポートの縦横比は黄金比が採用されています。つまり私たちは普段の生活の中でこの安定した黄金比を目にしています。自然の美しい風景をたくさん見たり、美術館や有名建築を訪れている人は、無意識の内に黄金比の構図を身につけることができるでしょう。
rule.4 白銀比の中で仕上げる
オプションルールの最後は、白銀比。rule2と同様に、比較的取り入れやすいルールです。
rule.4 2つの白銀比の長方形を重ねた内側に盛り付ける。
黄金比と同じく、美しいバランスの中で見られる白銀比という比率があります。法隆寺金堂や五重塔など日本建築で見られるほか、ドラえもんやアンパンマンなどの人気キャラクターのデザインにも白銀比が使われています。
美しい盛り付けを検証した時、黄金比が見つかるなら白銀比もあるのではないかと探ってみたところ、皿に対して白銀比を重ねたグリッド(上の図)が当てはまる盛り付けが見つかりました。
たとえば、デザートの盛り付けの仕上げで、白銀比の中におさまるように粉糖やココアパウダーを振ったり、細長い食材を整列させるように盛り付ける場合などは、このルールを当てはめるとお皿に対してバランスの良い盛り付けになるでしょう。
使用する皿について
今回ご紹介した4つのルールで盛り付ける時は、リムなし無地皿を使いましょう。
皿の絵柄は装飾なので、最も重要なrule1の余白の役目を果たしません。ガラス食器の気泡や和食器の貫入、洋食器のレリーフ皿などは、控えめなテクスチャーであれば良いでしょう。
まとめ
美しいコース料理の一皿のように盛り付けたい。そんな願いを叶える4つのルールをご紹介しました。
最も重要なのはrule1の余白と料理の比率です。これだけでも、あなたの一皿はグンとフォーマルで高級感のある盛り付けに変身します。
その上で、オプションルールのrule2(15°グリッド)やrule4(白銀比)を組み合わせることができれば、より美しい構図になるでしょう。紙に印刷したグリッドの上にガラス皿を置けば、グリッドを透かして練習することができます。
あなたが料理を生業としていたり、それを目指しているならば、ぜひrule3(黄金比)にチャレンジしてみてください。黄金比がしっかり身につけば、どんな料理でも美しい一皿にすることができます。
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